治水と防災

自分が議員になってから目の当たりにした地域の問題

 令和4年8月の線状降水帯による大雨で地域の住宅や農地が冠水・浸水しました
 ちょうど10年前にも同じような大雨による水害がありました。今回はそれよりも規模は大きく、住宅浸水や農地の冠水はもちろんのこと、農業用水路の土砂堆積による農作業の障害や土砂崩れによる道路の崩壊、さらにはため池決壊による農地への道路崩壊が発生し議員1年生にして右往左往する毎日でした。
 しかしながらこの災害で地域の問題、そして水害の原因の独自調査、市の行政としての対応、県の行政としての対応、多くの事が見えてきました。
 まず大雨によって地域は冠水しやすい場所が多々あります。これは新和地区だけに限った話ではありません。10年前にも同じような水害が発生してるのに何故それを想定した対応が確立されていないのか。答えは簡単です。誰も声を挙げず誰も声を届けないからです。
 今回の災害に対して議会の一般質問でも避難所の問題、冠水した住宅地や農地の排水方法について質問させていただきました。その結果、柔軟な指定避難所の確立、また令和5年度の予算に大型排水ポンプの導入が決定しました。いずれも弘前市として必要な処置ですが、大雨で災害を受けやすい私の住む新和地区や隣の大川地区などには朗報です。
 しかしまだまだ問題は山積みです。自主防災組織の立ち上げや指定避難所設定の際の物資移送方法やハザードマップの見直し等多くの課題はあります。しかし市街地ばかりではなくのどかな農村地区でも安心して生活できるということを自信持って言えるように今後も声を届けて参ります。

現代でも必要な「治水」

 治水と言うと歴史に出てきそうな単語ですが、令和4年の大雨による洪水で地域の治水の必要性に気付きました。
 地域の冠水・浸水の原因を追ってみました。原因は岩木川や前萢川(旧大蜂川)の増水による水門の閉鎖によって岩木山側から降りて来る雨水が溜まる事です。川が増水することにより逆流を防ぐために水門を閉鎖するのは当然です。そこで川とは別に地域には土淵堰という大きな水路が流れています。地域の人はこの土淵堰の水門も閉めたから洪水になるという意見が寄せられました。確かにそれも一因ではあります。この水路は弘前市はまったく関知せず、県の西北県民局で管理しているため私は赴いてお話をさせて頂きました。現状はこれ以上の対策はとれないということでしたが私はこの土淵堰が洪水の原因であると同時に洪水を避ける武器になるとも考えています。この水路を例えば高い位置から前萢川や岩木川に放流出来れば岩木山から流れる水を全て大きな河川に逃がしてくれます。その為には国レベルのハード対策と予算が必要になりますが、その対策で地域の何千万、何億円という財産が護られます。
 この「治水」対策を私の政治活動の主軸のひとつとして地域を護る為に尽力して参ります。

IT教育の促進

未来の大人がもっと当たり前に使えるIT技術

今学校教育ではパソコンを使用した授業も進んでいます。情報の集め方、プログラミング、印刷方法、etc…。今の時代、そしてこれからの必要な技術です。
 しかしながら教育現場ではパソコンを十分に活用した授業ができてるかと言えば「どちらかといえば出来てない」という回答が多いです。
 西暦2050年には企業におけるIT技術者は60%不足と言われる日本。今でもIT技術に長けてる方は多数いらっしゃいますが、アレルギー的に「無理!」という方も多数いらっしゃいます。
 今の子供たちや若い世代はスマートフォンやタブレットを駆使して情報を集めることやゲームを楽しんだり様々なアプリを活用して生活に活かしています。そういう意味ではIT技術の活用は十分に行われてると思いますが、企業における文章や計算技術、またはそこから応用したプログラミングは十分に活用出来る人材は不足してるように思います。
 私は20代の頃に通信機器の会社に務めてそこからコンピュータ全般を扱う技術者として独立しました。パソコンのトラブル・ネットワーク構築・Web制作・etc…。当時同業者内でも我々の業務は20年後にはこの程度の作業は誰もが出来るようになってこの仕事そのものは廃れていくかもしれない。そう思っていました。ところがその20年後の今日はどうでしょう?当時と変わらないどころか、当時より出来る人材が少ないような気がします。
 確かにパソコンやタブレット系の機器を使う人は多くなりましたが、便利なアプリの使用と情報収集は長けています。その反面企業としてのシステム構築の技術は専門分野となって誰でも出来るというわけでもないです。そういった実用的な技術を今から子どもたちが楽しく学んで未来へ送り出したいと考えています。
 例えばですが、学校教育でエクセルの簡単な計算式を教えて1つだけVBAスクリプト(例えば印刷ボタン)を教えて小遣い帳を作るコンテストでも開いてみます。きっと簡単な技術からちょっとした柔軟な発想で大人が想像もしない面白いデザインが生まれるかもしれません。子どもたちはゲーム感覚で「創造」するわけです。

農業もIT技術の職業へとイメージの進化


またこのIT教育は未来の農業のイメージを変える鍵にもなります。子どもたちの将来なりたい職業の上位ランクには「ユーチューバー」「イラストレーター」「プログラマー」が必ず上位にいます。それだけITやコンピューターを使う仕事に魅力があるなら農業もそういうイメージに変えればいいのです。
 今日スマート農業が推進されていて稲作はGPSを使ったトラクタやコンバインの操作、ドローンを使った農薬散布、機械とITを駆使した研究が進められています。
 農業は泥と土にまみれて天候に左右される大変な仕事…それはもちろん素晴らしいことですし農業の醍醐味ではありますが、今後の子どもたちにも魅力ある職業にイメージを変えるにはモニターを見ながらインテリジェンスに生産するかっこいい仕事にしていくのも必要です。後継者不足で悩む現状に対して様々な対策はありますが、それでも十分な結果を得られないのならばもっと大胆な改革が必要です。弘前市の主要産業のりんごのIT化はまだまだ課題があって難しいですが、職業のイメージを変えることが今後の1次産業の生き延びる道でもあります。

スポーツ育成

スポーツ団体に参加しにくい理由

小学校では現在部活はほぼ廃止になり、殆どがスポーツ少年団として活動しています。
 働き方改革もあり学校の先生方の負担は減り、地域や民間のプロの指導者が子どもたちの放課後のスポーツ育成に携わっています。
 30代以上の世代の方々が小学校の頃は多くの子どもたちが部活に所属していたと思います。今はどのスポーツ少年団(以下「スポ少」と略)でも参加する児童の少なさに頭を悩ませています。理由の大半は保護者の負担の多さです。スポ少団体に加入する会費や用意するスポーツ用品の費用もそうですが、それ以上に保護者の方々の気持ちを留まらせてるのは、送迎や試合に奪われる「時間」です。それゆえに子どもたちはスポ少に参加したくても出来ないという現状があります。

スポーツ団体に加入するメリット

 私の息子も小学校の頃に地元の野球チームに加入しました。
 確かに毎日遅い時間まで熱心な練習、送迎は当然のことながら休日は朝から場合によっては夕方まで試合に付き添い、ほぼ休日が無かったんじゃないかと思うくらいです。しかしそれを大変と思っても辛いと思わなかったのは子どもたちの頑張る姿と楽しむ姿があるからです。ただこれは私個人の感想です。
 今、中学生の私の息子は陸上競技をやっています。小学校ではあれだけ野球に打ち込んできたのに中学では競技を一転して陸上で100M走をやっています。当時の野球で鍛えた基礎的な体力もあり、陸上競技でも東北大会までコマを進める結果を出しています。ちょうど成長期真っただ中の運動は身体的成長を促すのはもちろん、心の成長も育成されます。
 特に最近「新社会人が会社に入社してきた。しかし挨拶もろくに出来ず、自分の利権を主張し協力することが解らず団体行動が出来ない」という話を聞くと思います。すべてがそういうわけではないですが社会問題の一部となっております。例えあいさつ一つでも人間関係は良好になります。些細なことでしょうが、試合の時に相手チームが私たちのグラウンドに遠征に来た時、しっかり挨拶をして入ってきます。それだけではありません。子どもたちとすれ違うたびに見知らぬ私たちに「こんにちは!」と挨拶してきます。実に些細な行動ですがこの一つの行動が世の中のギクシャクした人間関係も難しい話し合いも殺伐とした空気も極端かもしれませんが地域の犯罪もすべて解決に向けてくれます。そうした「礼儀」を身につける素晴らしい環境です。

対策と提案

 強制というわけでもないですし、参加してくださいというわけでもありません。ただ、大人の理由で子どもたちの無限の可能性が狭まれるこの時代を少しでも解決したいです。保護者の方々も好きで参加させないわけではないです。大人の時間も確保できてこそ「子育てしやすい地域」が生まれると思います。
 一番は市で送迎バスを出して各スポ少の練習場所や試合場所へ送迎する方法ですが、現実問題バスや運転手の確保など予算的には無理に等しいと思います。
 ただ私の経験談ですが、保護者の方々でも送迎に十分時間を確保できる方が数人います。そういう方々が近隣の子どもたちを送迎するケースは多々あるのですが、それをも拒む保護者の理由は「申し訳なくて毎回お願い出来ない」「事故を起こしたら責任問題になる」そういった意見です。
 ならば、例えばですが送迎出来る保護者にちゃんと送迎費用と保険を手厚く準備したらいかがでしょう。「他の保護者に負担をかけるのが迷惑」という部分に対して市が埋め合わせすることでお願いしやすくなると思います。もちろん内容に関しては議論や調整も必要ですが少しでも保護者同士の効率と都合のいい方法を手助けすることで子どもたちのスポ少への参加がしやすくなると思います。
 

空き家問題

空き家が確実に増える現状

 全国で空き家問題は深刻化しています。特に地方の一軒家ではお年寄りの一人暮らしも多く、おおよそ30年後を想像してみるとその方が親族にお世話になりに引っ越したり施設に入居されたり、または亡くなられたりetc…で空き家は確実に増えることになります。
 親族や遺族の方々でその家屋をどうするかきちんと話合えば問題ない事なのですが、殆どがそれが出来ていない状態です。ではなぜそれが出来ていないのか。お年寄りの一人暮らしの段階ですでに親族と連絡がとれなくなったり、とれたとしてもその方が家屋の所有者でなかったり、所有者または決定権を持つ親族が複数いてその方々が疎遠になっていたり、結局どうもならずに放置というのが多いです。
 未来の地域の景観がゴーストタウンのようになろうとしています。人口減少・高齢化による皆様の地域の30年後、50年後がどのような景色になってるか想像してみてください。

空き家の危険性

 生活のない空き家は当然老朽化していきます。そのうち倒壊の危機もあれば火災の危険性もあります。最近私の地域でも問題になっているのが食物を荒らす害獣の住処になってる問題です。
 こういう空き家は猫やネズミにとって快適な寝床です。ただ最近はそれだけではなく狸やアライグマやハクビシンといった山から降りてきた普段お目にかかれない動物が住みついたりしています。こうした動物の糞尿は木造住宅の老朽化を一気に加速させます。倒壊の危険を加速させるということです。また地方では農家も多いですがこうした動物はリンゴも食べます。近隣のリンゴ倉庫に保管しているリンゴの食害も耳にします。
 また今年のような雪の多い年には特に屋根の雪の問題も深刻です。重さで倒壊の危険はもちろんのこと、暖気したときに屋根雪が隣接する住宅に落ちて迷惑かける点もあります。空き家から発生する被害は結局所有者に連絡とれずに泣き寝入りも多くあります。

現在の弘前市の対策と今後の提案

 全国では「空き家バンク」というシステムで所有者と欲しい人をつなげて空き家対策をとっています。またイベントや地域事業での貸出をしてます。それでも空き家はこれだけ多く存在して問題になっています。
 現在でも弘前市では空き家を解決するチームがあります。空き家の所有者を割り出して解決に向けた作業を行っています。ただその作業は解決を促す手紙を出すというものです。もちろんその作業は大切ですが、もっと踏み込んでみてはいかがでしょうか。実際私の身の回りでも解決出来ない理由として「解体にお金がかかる」「所有者と連絡とれない」「親戚と相談しなければいけないが連絡とれない・または仲が悪くて連絡とりたくない」等です。
 ならばせっかくチームが存在するならば書面で催促するだけではなく、所有者がわかるのであれば直接所有者のところへ出向き、また複数の所有者がそれぞれ疎遠ならば間に入ってそれぞれ話をまとめていけばいいのです。返事のない書面を闇雲に送るよりも、直接話し合って一軒でも多くの空き家を解決することが大切です。
 今後必ず空き家は増えてきます。核家族は増えますし、建築会社は企業存続と経済の為に家を建てなければなりません。そこで極論ですが例えば建築の際は市が前もって解体費用を徴収するなど今から確実な対策を打ち出さなければ今後もっと大変なことになります。